Ed Sheeran[エド・シーラン]は間違いなく今世紀にその名を遺す天才ソングライターだ。
彼がデビュー・アルバムの「+」をリリースしたのは2011年である。
このブログで度々書いてきたとおり、筆者は2000年以降に登場したアーティストを積極的に聴いてこなかった。
それ故、「+」がリリースされた当時、Ed Sheeranの名前は洋楽雑誌で知っていたものの「+」を買って聴くまでには至らなかった。
しかし、それから数年が経ち、FMから流れてきた彼のデビュー・シングル、"The A Team"を偶然聴くことになり、あまりの曲の良さにノックアウトされてしまったのである。
それはもう、"The A Team"を聴いている間、頭がクラクラするほどの衝撃を受け、「このままこの曲が終わらないで欲しい」と望んだほどだ。
その後、デビュー・アルバムの「+」を聴き、一聴すると素朴ながらも、実は緻密に構築された収録曲の美しさに再びノックアウトされることになったのである。
筆者はよほど好きなアーティストでない限り歌詞には無関心なのだが、Ed Sheeranの場合は歌詞が知りたくなり、訳詞を読んでみたのだが、筆者の好きなラヴ・ソングが多かったので更に彼の曲を好きになることができた。
結局のところ、筆者が最も好きな曲は、いつだってラヴ・ソングなのである。
メッセージ性の強い曲も、それはそれで有りだと思うし、そういったアーティストの曲も聴くのだが、英語力が無さすぎて歌を聴きながら歌詞を理解することが出来ないので、結局は歌詞ではなく曲を聴いているのである。
その点、ラヴ・ソングなら筆者でも理解できる単語が出てくることもあるので、歌詞も少しだけ楽しむことができるのが良い。
Ed Sheeranは日常の風景を切り取るのが上手い。
Ed Sheeranは顔だけ見ると素朴な青年に見えるのだが、刺青だらけの彼の体を見ると「この人も9時-6時の仕事はできひん人なんやろなぁ」と思えるし、たぶん実際もそうなのだろう。
そんな、所謂「普通」と呼ばれる日常から遠くはなれた場所にいる彼のような人が、普通ではない感性で巧みに日常の風景を切り取り、それを筆者のような普通の人に寄り添うように歌ってくれるところが、リスナーを惹き付けて止まない彼の最大の魅力なのだろう。