■ 第1位
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title | If You Want Blood You've Got It[ギター殺人事件~AC/DC流血ライヴ~] (live album) |
released | 1978-10-13 |
comment | 筆者は、ライヴ・アルバムは基本的に好きではないのだが、いくつかのアーティストについては、スタジオ・アルバムよりもライヴ・アルバムの方を好んで聴くケースがある。 AC/DCのこのアルバムもそんなケースの1つだ。 元を辿れば、Guns N' Roses[ガンズ・アンド・ローゼズ]のLive from the Jungleで"Whole Lotta Rosie"を聴いたことでAC/DCへの興味が深まり、原曲が聴きたくて購入したのがこのアルバムだ。 ライヴ・アルバムだが、選曲としてはこの時期のAC/DCのベストと言える内容になっている。 ちなみに、"Whole Lotta Rosie"はGuns N' Rosesのカヴァーでも、観客の合いの手は「アンガス!」である。 |
■ 第2位
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title | Let There Be Rock[ロック魂] (4th album) |
released | 1977-03-21 |
comment | AC/DCと言えば、全てのアルバムが名盤だ。 低迷していたと言われる頃(80年代中期~後期)にリリースされたアルバムですら、筆者に取っては名盤なのである。 時々、「AC/DCはリフが良いだけで、メロディーが無い」と言っている人に出会うことがある。 そんな人に会ったとき、筆者は、「ええかげんにせいよ、ほんまに!」と言って、喧嘩を売ってしまう。 AC/DCは最高のリフ・メイカーであると同時に、最高のメロディー・メイカーでもあり、それを最も分かり易く味わえるのがこのアルバムなのである。 |
■ 第3位
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title | Back in Black[バック・イン・ブラック] (7th album) |
released | 1980-07-25 |
comment | 他界したBon Scott[ボン・スコット]の後任シンガーとして、Brian Johnson[ブライアン・ジョンソン]が参加して制作した最初のアルバムであり、シンガーの交代というバンドの危機的状況下で放ったアルバムが、結果としてキャリア最大のヒット作となった。 Brian Johnsonの声質のため、かなりメタリックな質感のアルバムに仕上がっている。 一番好きなAC/DCのアルバムではないが、一番衝撃を受けたAC/DCのアルバムはこれだ。 80年代に隆盛を極めた多くのグラム・メタル・バンドの曲は、このアルバムからアイディアを拝借している。 |
■ 第4位
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title | Powerage[パワーエイジ] (5th album) |
released | 1978-05-25 |
comment | AC/DCは、どのアルバムを聴いても同じだと思っている人がいるなら、2位に挙げたLet There Be Rockの次に、このアルバムを聴いてみるべきだろう。 Let There Be Rockがメロディー・メイカーとしてのAC/DCを楽しむアルバムなら、このアルバムはリフ・メイカーとしてのAC/DCを徹底的に楽しむためのアルバムだ。 Let There Be RockとHighway to Hellという派手なアルバムに挟まれ、AC/DCのカタログの中では地味な存在かもしれないが、実はかなりの名盤である。 そして、Aerosmith[エアロスミス]のギタリスト、Joe Perry[ジョー・ペリー]のフェイヴァリット・アルバムでもある。 |
■ 第5位
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title | The Razors Edge[レイザーズ・エッジ] (12th album) |
released | 1990-09-21 |
comment | 80年代中期~後期のAC/DCは低迷期と言われているが、それは、90年にリリースされたこのアルバムが良すぎるために、そう思われているのではないだろうか? 筆者は低迷期と言われている時期のAC/DCのアルバムも好きなのだが、その頃のアルバムはAC/DCとしては少々落ち着いている感じがしなくもない。 それに比べると、このアルバムで聴ける吹っ切れたかのような鋭くてタフな演奏は、70年代後期から80年代初期にかけてのAC/DCを彷彿とさせるのである。 このアルバムで取り戻した勢いは、そのまま、現時点での最新作である17thアルバムのPower Upまで失速することなく維持されている。 |
AC/DCは世界最高峰のロックン・ロール・バンドだ。
The Rolling Stones[ザ・ローリング・ストーンズ]も世界最高峰のロックン・ロール・バンドと言われることがあるが、ロックン・ロールの純度の高さで比べるなら、StonesよりもAC/DCの方が上をいっている。
もちろん、Stonesも優れたロックン・ロール・バンドであり、筆者もStonesが大好きなのだが、Stonesというバンドは実に上手く流行を取り入れることのできるバンドでもある。
それに比べ、AC/DCはロックン・ロール馬鹿一代の如く、突き進んできたバンドだ。
「AC/DCのアルバムはどれを聴いても同じに聴こえる」と批判されたとき、Malcolm Young[マルコム・ヤング]は「同じバンドだからな」と言っていたらしいが、実に痛快なエピソードである。
AC/DCはStonesのKeith Richards[キース・リチャーズ]のフェイバリット・バンドでもあり、この話を知ったときは「なるほど」と思い、思わず笑みがこぼれてしまった。
Ramones[ラモーンズ]のDee Dee Ramone[ディー・ディー・ラモーン]は、「この世にロックン・ロール・バンドは3つしかない。RamonesとMotörheadとAC/DCだ」と言ったらしいが、上手いことを言うものである。
当然、この世には、もっと多くのロックン・ロール・バンドが存在する。
しかし、Dee Dee Ramoneのこの言葉には強烈な説得力がある。
RamonesとMotörheadは、もうこの世に存在しない。
残るはAC/DCだけだが、AC/DCもMalcolm Youngが亡くなったり、Brian Johnsonが耳を患ったりと、かなり危うい状態である。
しかし、AC/DCには、ここままゴールまでロックン・ロール街道を突っ走てほしいのである。