Rock'n'Roll Prisoner's Melancholy

好きな音楽についての四方山話

#0440.17) 好きなDavid Bowie[デヴィッド・ボウイ]のアルバム5選

■ 第1位

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title Low[ロウ]
(11th album)
released 1977-01-14
comment  今回のリストでは、Lowを1位、"Heroes"を2位としたが、筆者にとってこの2枚は順位が付け難いので気持ちとしては2枚とも1位だ。
 録音場所がベルリンだからクラウトロックっぽくなったのか、クラウトロックっぽいものを作りたいからベルリンで録音したのか?
 このアルバムでのBowieはあまり歌っていないのだが、そこがこのアルバムの良いところでもある。
 筆者は、サウンドリエーターとしてのBowieが好きなのであり、シンガーとしてのBowieには殆ど興味が無い。
 従って、このアルバムは、筆者にとって、最もBowieを楽しめる1枚なのである。

■ 第2位

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title "Heroes"[英雄夢語り (ヒーローズ)]
(12th album)
released 1977-10-14
comment Lowに続きベルリンで録音されたアルバムであり、このアルバムもインストゥルメンタルの比率が高い。
 後に(80年前後)に登場するポストパンクやニュー・ウェイヴに対し、大きな影響を与えたアルバムだが、多くのポストパンクやニュー・ウェイヴのアーティストが束になってかかっても太刀打ちできない名盤である。
 特に後半のインストゥルメンタル・パートは、陳腐な言い方だ神憑っているとしか言いようがない。
 少し乱暴な言い方になるのだが、もし、Bowieがこのアルバムを最後に引退していたなら、現在での評価は更に上がっていたように思えてならない。

■ 第3位

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title Station to Stationステイション・トゥ・ステイション
(10th album)
released 1976-01-23
comment Low"Heroes"に続く3部作の最終章はLodgerなのだが、正直なところ、Low"Heroes"が放つヒリヒリとしたテンションの高さと比べると、Lodgerはどうにも緩く感じてしまいLow"Heroes"と同じ気持ちで聴くことができない。
 それに対し、Lowの1つ前のアルバムであるこのStation to Stationには、Low"Heroes"へと続くテンションの高さが既に放たれており、筆者にとってはStation to StationLow"Heroes"こそがBowieの3部作なのである。
 前作Young Americansに引き続きソウル等ブラック・ミュージックの要素を取り入れながらも、Bowieの歌にはあまり重きが置かれておらず、演奏の面白さの方に耳が魅かれるアルバムである。

■ 第4位

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title Black Tie White Noiseブラック・タイ・ホワイト・ノイズ
(18th album)
released 1993-04-05
comment  筆者が初めてリアルタイムで聴いたBowieのアルバムは、1983年リリースのLet's Danceなのだが、それに続くTonightNever Let Me Downの3枚は、いずれも全く良いと思えなかった。
 後追いで聴いたLow"Heroes"と比べると、80年代のBowieは「ほんまにおんなじ人なん?」と思えるほど、凋落の一途を辿っていたのである。
 そんな80年代のBowieが復活の兆しを見せた瞬間が一瞬だけあり、それがこのBlack Tie White Noiseだ。
Let's Danceと同じNile Rodgers[ナイル・ロジャース]のプロデュースなのだが、Let's Danceでは嵌らなかったものが、このBlack Tie White Noiseでは完璧に嵌っている。
"Heroes"よりも後のアルバムでは、最後まで集中力を切らさずに聴ける唯一のアルバムである。

■ 第5位

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title Tin Machine[ティン・マシーン]
(Tin Machine's 1st album)
released 1989-05-22
comment Black Tie White Noiseで復活の兆しを一瞬だけ見せたBowieだが、このTin Machineでその予兆を垣間見ることができる。
 たぶん、Never Let Me Downを制作した後に、「この路線が自分に合っていない」と気付いたのではないだろうか?
 Bowieがソロでの活動を止め、このTin Machineを結成したとき、殆どの人は「どうせ長続きしない」と思ったはずであり、実際にそうなった。
 しかし、Reeves Gabrels[リーヴス・ガブレルス](lead guitar)、Tony Sales[トニー・セイルス](bass)、Hunt Sales[ハント・セイルス](drums)という凄腕のミュージシャンと共にロックン・ロールしているBowieには、80年代の不調を吹き飛ばす勢いがある。
 ただし、物凄く、バックの演奏に救われているアルバムでもある。

 

今年(2022年)は、お盆くらいから、ずっとDavid BowieLow"Heroes"を聴いている。

 

とにかく、このアルバムは、いつ聴いても凄い。

 

ロック史に燦然と輝く「永遠の名盤」である。

 

キャリア初期のシンガーソングライターっぽい時代(1970年前後)や、グラム・ロック時代(1970年代前期)のアルバムも好きなのだが、あまりにも聴きすぎたせいか、今では少々飽きてしまっている。

 

それに比べ、Low"Heroes"の2枚は、飽きるほど聴いているはずなのに全く飽きていない。

 

20世紀が生んだ天才総合芸術家であるDavid Bowieが、最も音楽的に充実していたときに放ったアルバムがこの2枚であり、あまりにもこの2枚が凄すぎるので、その後は、David Bowie自身ですら、この2枚を超えることができなったのである。