■ 第10位
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title | STRICTLY BUSINESS[ストリクトリー・ビジネス] (1st album) |
artist | EPMD[イーピーエムディー] |
released | 1988年 |
origin | Long Island, New York, U.S. |
comment | 88年のアルバムなのだが、筆者はEPMDのバックグラウンドを知らないまま、2000年代になってからこのこのアルバムを聴いたので、そこまで古いアルバムだとは気付いておらず、90年代のアルバムかなと思っていた。 Bob Marley[ボブ・マーリー]の"I Shot the Sheriff"をサンプリングした、1曲目の"Strictly Business"は特に秀逸であり、レゲエを殆ど聴かない筆者にとって"I Shot the Sheriff"と言えば、Eric Clapton[エリック・クラプトン]かEPMDなのである。 自分の曲をヒップ・ホップにサンプリングされることを快く思わないアーティストは多いと思うのだが、もし、Bob Marleyが存命だったなら、この曲をどう思ったのだろう? |
■ 第9位
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title | CRIMINAL MINDED[クリミナル・マインデッド] (1st album) |
artist | BOOGIE DOWN PRODUCTIONS[ブギ・ダウン・プロダクションズ] |
released | 1987年 |
origin | New York City, U.S. |
comment | これも2000年代に入ってから聴いたアルバムであり、BOOGIE DOWN PRODUCTIONSは完全に後追いで聴いたアーティストだ。 筆者は、KRS-One[KRS・ワン]がらみでは、このアルバムが一番好きだ。 Scott La Rock[スコット・ラ・ロック]の意外なほどシンプルなトラックに、KRS-Oneの切れ味鋭いラップは、一聴するとミスマッチのような気もするのだが、これがBOOGIE DOWN PRODUCTIONSの個性なのである。 Scott La Rockが急死しなければ、BOOGIE DOWN PRODUCTIONSは、この路線を更に追求していたのではないだろうか? |
■ 第8位
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title | STRAIGHT OUTTA COMPTON[ストレイト・アウタ・コンプトン] (1st album) |
artist | N.W.A[エヌ・ダブリュ・エー] |
released | 1988年 |
origin | Compton, California, U.S. |
comment | N.W.Aを聴いた切っ掛けは、GUNS N' ROSES[ガンズ・アンド・ローゼズ]のAxl Rose[アクセル・ローズ]がN.W.Aのことを好きで愛聴しえいると言っていたからだ。 筆者は、「ヒップ・ホップはニューヨークの音楽」という先入観があったので、ロサンゼルスにもヒップ・ホップがあるということが何とも以外だった。 物凄い怒りに満ちたアルバムだが、米国の一部の心無い警察官による黒人への暴力のニュースを聴くと、筆者のように人種差別の殆ど無い国で育った人間でもN.W.Aの怒りが理解できるような気がする。 ただし、筆者のような「ぬるま湯」に使って育ってきた人間に「理解できるような気がする」と言われても、N.W.Aは喜んでくれないような気がする。 |
■ 第7位
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title | IT TAKES A NATION OF MILLIONS TO HOLD US BACK[パブリック・エナミー・II] (2nd album) |
artist | PUBLIC ENEMY[パブリック・エナミー] |
released | 1988年 |
origin | Long Island, New York, U.S. |
comment | PUBLIC ENEMYのことは、デビュー当時のMANIC STREET PREACHERS[マニック・ストリート・プリーチャーズ]が「現存するミュージシャンで好きなのはGUNS N' ROSES[ガンズ・アンド・ローゼズ]とPUBLIC ENEMYだけ」と言っていたこともあり、ずっと気になっていたのだが、まともに聴き始めたのは90年代に入ってからだ。 切っ掛けは、大好きなスラッシュ・メタル・バンドANTHRAX[アンスラックス]と共演した91年のシングル"Bring the Noise"だった。 筆者は英語が苦手なので、彼らの歌詞を直接理解することはできないのだが、名盤と誉れ高いこの2ndで鳴らされている緊張感のある音を聴いていると、米国政府に対する彼らの真剣な怒りを感じ取ることができるのである。 |
■ 第6位
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title | RHYME PAYS[ライム・ペイズ] (1st album) |
artist | Ice-T[アイス-T] |
released | 1987年 |
origin | Newark, New Jersey, U.S. |
comment | Ice-Tについては、ソロよりも先に、彼が率いるクロスオーヴァー・スラッシュ/ラップ・メタルのバンドBODY COUNT[ボディ・カウント]の方を先に聴いている。 BODY COUNTは、かなり激しめの音だったので、それらしい音を期待して、このアルバムを買ったのだが、ロックっぽいテイストは皆無であり、あまりにも王道のヒップ・ホップだったので驚いた。 ギャングの中のギャングという感じの音であり、西海岸のヒップ・ホップは、この人が発展させたと言われている。 筆者は、ヒップ・ホップの「東っぽさ」や「西っぽさ」については殆ど分からないのだが、このアルバムはカヴァー以外、西っぽさはあまり無いように思える。 |
■ 第5位
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title | AS NASTY AS THEY WANNA BE[アズ・ナスティ・アズ・ゼイ・ワナ・ビー] (3rd album) |
artist | 2 LIVE CREW[ツー・ライヴ・クルー] |
released | 1989年 |
origin | Miami, Florida, U.S. |
comment | 2 LIVE CREWは、とにかく「エロい」ということで話題になり、男子である筆者は「どんだけエロいんか聴いてみたろ」と思い、このアルバムの購入に至った。 ところが、英語が不得手な筆者には、2 LIVE CREWのリリック(歌詞)が全く分らず、ポカァ~ン...という感じだったのである。 自分が英語が不得手なことは冷静に考えれば分かるものだが、後先考えずにエロさに魅かれてしまった結果だ。 ただ、このハチャメチャ感は、エロさなんてどうでもよくなるくらい、楽しくて仕方ないのだ。 |
■ 第4位
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title | PAID IN FULL[ペイド・イン・フル] (1st album) |
artist | Eric B. & Rakim[エリックB&ラキム] |
released | 1987年 |
origin | Long Island, New York, U.S. |
comment | このアルバムは、とにかく聴いていて気持ち良くなれるアルバムだ。 2022年現在から遡ると、もう35年も前のアルバムなのに、全く色褪せることの無い輝きを今も放ち続けている。 RUN-DMCやBEASTIE BOYSからヒップ・ホップを聴き始めた筆者は、ラップとは攻撃的でガツンっとくるものだと思っていたのだが、このアルバムには、そんな固定概念を覆された。 Rakimのフロウは美しく、Eric B.のトラックはソウルフルだ。 |
■ 第3位
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title | BIGGER AND DEFFER[ビガー&デファー] (2nd album) |
artist | LL Cool J[エルエル・クール・ジェイ] |
released | 1987年 |
origin | Bay Shore, New York, U.S. |
comment | RUN-DMCとBEASTIE BOYSの次に聴いたヒップ・ホップのアーティストは、たぶん、LL Cool Jだったと思う。 このアルバムに収録されている"I Need Love"は、一説によるとヒップホップ初のバラード(ラップ・バラード)らしいのだが、筆者のような根がロック・リスナーの耳で聴くと、あまりバラードっぽく感じられない。 でも、"I Need Love"が名曲であるということは筆者にも分かる。 自ら「Ladies Love COOL James」と名乗ってしまう、この人のキャラも好きだったりする。 |
■ 第2位
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title | LICENSED TO ILL[ライセンス・トゥ・イル] (1st album) |
artist | BEASTIE BOYS[ビースティ・ボーイズ] |
released | 1986年 |
origin | New York City, U.S. |
comment | 初めて聴いたヒップ・ホップのアーティストはRUN-DMC、その次はこのBEASTIE BOYSだった。 ハードコア・パンクをやっていた彼らが、ヒップ・ホップにシフトして放ったこの1stは、全米1位の大ヒット・アルバムになった。 ヒップ・ホップのアルバムでありながら、そのサウンドには70年代のハード・ロック的なテイストが多分に含まれており、当時のロック・リスナーが最も受け入れやすいヒップ・ホップのアルバムだったのではないだろうか? アルバムとしての完成度は、2nd「PAUL'S BOUTIQUE」や4th「ILL COMMUNICATION」の方が上だと思うのだが、筆者にとってのBEASTIE BOYSと言えば、このアルバムでの破天荒な暴れっぷりなのである。 |
■ 第1位
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title | RAISING HELL[レイジング・ヘル] (3rd album) |
artist | RUN-DMC[ラン・ディーエムシー] |
released | 1986年 |
origin | Hollis, Queens, New York City, NY, U.S. |
comment | 初めて聴いたヒップ・ホップのアーティストはRUN-DMCだった。 筆者に限らず、筆者と同世代(2022年現在で50代前半)の殆どのロック・リスナーは、RUN-DMCでヒップ・ホップに出会ったのではないだろうか? AEROSMITH[エアロスミス]のカヴァー"Walk This Way"を聴いたときの衝撃は凄まじく、矢も楯もたまらずこのアルバムを買いに行き、気が付けばこのアルバムから聴こえてくる重厚なビートの虜になっていた。 その後、AEROSMITHの3rd「TOYS IN THE ATTIC」で"Walk This Way"のオリジナルを聴くことになるのだが、オリジナルもヴォーカルというよりは殆どラップであり、Steven Tyler[スティーヴン・タイラー]というシンガーの歌の上手さやリズム感の良さに改めて気付かされたのである。 |
ロック・リスナーである筆者が人生で衝撃を受けたロック以外の音楽は、ジャズとヒップ・ホップとドラムン・ベースだ(ちなみに、ロックの範疇に限って言うなら、プログレッシヴ・ロックとスラッシュ・メタルだ)。
筆者は1969年生れなので、ジャズの登場にはリアルタイムで接することができなかった。
しかし、80年代のヒップ・ホップ、90年代のドラムン・ベースの登場にはリアルタイムで接することができた。
今回は「好きなヒップ・ホップ(80年代)のアルバム10選」なので、ドラムン・ベースの衝撃は置いておくとして、ヒップ・ホップとの出会いは本当に衝撃的だった。
具体的には、RUN-DMCとBEASTIE BOYSとの出会いに衝撃を受けたのだが、このときの筆者は、この2組の音楽が、何か新しい音楽であるということは感じ取っていたのだが、ヒップ・ホップ・ミュージックの制作手法については全くの無知であり、ヒップ・ホップがアフリカ系アメリカ人の文化から登場したということも知らなかった。
筆者は、ロックを聴くときは、ミュージシャンの演奏技術にけっこう拘るほうなのだが、ヒップ・ホップの場合、既に演奏済みの音源を使ってトラック制作を行うため、演奏技術という概念が無い。
ヒップ・ホップにおける、このようなトラック制作手法を知ったとき、筆者は度肝を抜かれたのである。
このようなトラック制作手法を良しとしないロック・リスナーにとっては、ヒップ・ホップは受け入れ難い音楽なのかもしれない。
しかし、筆者は、新しもの好きの尻軽リスナーだったので、「このやり方、凄い!」と感じてしまい、簡単にヒップ・ホップを受入てしまったのである。
筆者は、無節操に色んなジャンルの音楽を聴くが、基本的には(尻の軽い)ロック・リスナーなので、ヒップ・ホップの知識は殆ど無いに等しい。
そして、英語が苦手なので、ヒップ・ホップのリリックを楽しむということは殆ど無く、サウンドとして楽しんでいる。
実は、このような筆者のヒップ・ホップの聴き方は、ロックを聴くときも同じなのである。
筆者は、ロックを聴くときも、英語が苦手なので、よほど好きなアーティストでないかぎり、歌詞は意識していない。
やはり、サウンドとして楽しんでいるだけであり、ヴォーカルは、楽器の一種なのである。