#0363) AS NASTY AS THEY WANNA BE / 2 LIVE CREW 【1989年リリース】

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1980年代初期にロックから洋楽を聴き始めた筆者がヒップ・ホップに対して持っている感情は「敗北感」である。


ロックを聴き始めた頃は、英国のニューロマンティックや米国のLAメタル(グラム・メタル)から始まり、色んなジャンルのロックを節操なく聴き漁っていたのだが、RUN-DMC[ラン・ディーエムシー]、LL Cool J [エルエル・クール・ジェイ]、BEASTIE BOYS [ビースティ・ボーイズ]といったヒップ・ホップ系アーティストのミュージック・ビデオを見たときに凄まじい衝撃を受けたことを鮮明に記憶している。


初めてヒップ・ホップを聴いた筆者は「なんだかよく分からないが、自分がそれまでに聴いていたロックでは太刀打ちできないような、ファッショナブルでお洒落でタフな音楽が出てきたな」と感じたのだ。


ロックについては、同級生からギターを習ったりバンドの真似事をしたりという具合に自分でもやってみようと思えたのだが、ヒップ・ホップについては、これは自分には絶対にできないと感じたのだ。


ヒップ・ホップに衝撃を受けたその後の筆者がロックからヒップ・ホップ鞍替えすることは無かったのだが、ヒップ・ホップはロックに大きな影響を与えるジャンルとして常に意識せざるを得ない存在であり続けた。


今回取り上げている2 LIVE CREW〔ツー・ライヴ・クルー〕は筆者が持っていたヒップ・ホップのイメージを大きく変えられたグループだ。


当時の筆者がよく聴いていたのはPUBLIC ENEMY[パブリック・エナミー]やN.W.A [エヌ・ダブリュ・エー]であり、ヒップ・ホップと言えば強面のイメージがあったのだが、2 LIVE CREWは「ファニーで且つ過激」という、全く新しいヒップ・ホップ・グループだったのである。


2 LIVE CREWは歌詞がエロいことで有名だったので、若かりし当時の筆者は当然ながらそこに興味津々で、「どんだけエロいんか聴いてみたろ」と思い今回取り上げている彼らの3rdアルバム「AS NASTY AS THEY WANNA BE」を聴いたのだが、英語力のない筆者にはどこがエロいのかさっぱり分からず「?」という感じだったのである。


ただし、曲としては、それまでに聴いたことの無い、あえて軽薄な感じを出しているような面白さがあり、お気に入りのヒップ・ホップ・アルバムとして今でも時々聴いている。


筆者にとっては馴染み深いハード・ロックヘヴィ・メタルの有名なリフがサンプリングされている曲もあるので、聴いているとニヤリとさせられる瞬間があるのもいい。