最近はヒップ・ホップを聴くことが多い。
今回取り上げているN.W.A[エヌ・ダブリュ・エー]は、米国カリフォルニア州コンプトン出身のヒップ・ホップ・グループであり、西海岸ヒップ・ポップのレジェンドである。
そして、Ice-T[アイス・ティー]と並ぶギャングスタ・ラップの始祖でもある。
筆者は1969年生れであり、中1(1982年)から本格的にロックを聴き始め、時の経過と共に一端のロック・ファンになった。
しかし、後10年、生まれるのが遅かったら、筆者はロック・ファンではなく、ヒップ・ホップ・ファンになっていたような気がする。
とにかく、ロックを含む洋楽を聴いてきた人生において、RUN-DMC[ラン・ディーエムシー]、LL Cool J[エル・エル・クール・ジェイ]、BEASTIE BOYS[ビースティ・ボーイズ]、PUBLIC ENEMY[パブリック・エナミー]といったヒップ・ポップ系アーティストの登場は衝撃的だったのである。
N.W.Aを聴く切っ掛けは、筆者の大好きなバンドであるGUNS N' ROSES[ガンズ・アンド・ローゼズ]のAxl Rose[アクセル・ローズ]がN.W.Aをお気に入りに挙げていたからだ。
当時の筆者はAxl Roseの「推し」を片っ端から聴いてたので、今回取り上げているN.W.Aの1stアルバム「STRAIGHT OUTTA COMPTON」も直ぐに買ったわけだが、所謂Gファンクの先駆けとも言えるハードコアでタフなサウンドのカッコ良さに一発でKOされてしまったのである。
ヒップ・ホップは英語が分かる人でなければ、その良さを本当に理解することはできないと言う人もいるが、それについては筆者も確かに一理あると思っている。
N.W.Aがこのアルバムで主張している人種差別への怒りは、英語が分からなければその本質は理解できないのかもしれない。
しかし、英語が分からなくても、ヒップ・ポップをサウンドとして楽しむことは出来るのではないだろうか。
これを言うと、ヒップ・ポップ・ファンからも、ロック・ファンからも、お叱りを受けそうだが、そもそも筆者は音楽を聴く時に歌詞をさほど重要視していないので、ヒップ・ポップのラップも、ロックのヴォーカルも、楽曲を構成する楽器の一つとして楽しんでいる。
英語が分からない筆者がだが、N.W.Aが生み出した、このカッコ良すぎる歴史的名盤を、もう既に30年も楽しんで聴いているのである。