■ 第10位
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title | ANTICHRIST SUPERSTAR[アンチクライスト・スーパースター] (2nd album) |
artist | MARILYN MANSON[マリリン・マンソン] |
released | 1996年 |
origin | Fort Lauderdale, Florida, US |
comment | 米国のようなキリスト教の影響力が強い国で「ANTICHRIST SUPERSTAR」というアルバム・タイトルは、かなりヤバいのではないだろうか? Marilyn MansonことBrian Hugh Warner[ブライアン・ヒュー・ワーナー]以前にも反キリストを掲げるアーティストはいたと思うのだが、それらに比べるとMarilyn Mansonは圧倒的に露骨で挑発的でガチなイメージがある。 筆者は宗教や信仰に関しては全くの無関心であり、「神」や「あの世」に関しても、たぶん無いんじゃないかなと思っている。 正直なところ、筆者にとって、MARILYN MANSONの反キリスト的な部分などに興味はなく、ただ単に優れたロック・アルバムとしての「ANTICHRIST SUPERSTAR」が好きなのだ。 筆者にとってのMARILYN MANSONとは、かつてALICE COOPER[アリス・クーパー]が生み出したショック・ロックを、インダストリアル・スタイルで90年代に蘇らせた良質なロック・バンドなのである。 |
■ 第9位
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title | HELLBILLY DELUXE: 13 TALES OF CADAVEROUS CAVORTING INSIDE THE SPOOKSHOW INTERNATIONAL[ヒルビリー・デラックス] (1st album) |
artist | Rob Zombie[ロブ・ゾンビ] |
released | 1998年 |
origin | Haverhill, Massachusetts, US |
comment | インダストリアルというジャンルの中でも、そのパイオニアであるMINISTRY[ミニストリー]は、普段ラウド系の音楽を聴かない人にはノイジーすぎる。 同ジャンルの頂点であるNINE INCH NAILS[ナイン・インチ・ネイルズ]もMINISTRYほどではないが、やはり普段ラウド系の音楽を聴かない人にはノイジーすぎるだろう。 MARILYN MANSONはノイジーな要素を多分に残しつつ、MINISTRYやNINE INCH NAILSよりもインダストリアルというジャンルを大衆化させることに成功した。 そして、MARILYN MANSON以上にインダストリアルというジャンルを大衆化させることに成功したアーティストがRob Zombieなのではないだろうか? 筆者の中におけるRob Zombieと、はインダストリアルというジャンルの中で最もポップなアーティストなのである。 |
■ 第8位
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title | THE DOWNWARD SPIRAL[ザ・ダウンワード・スパイラル] (2nd album) |
artist | NINE INCH NAILS[ナイン・インチ・ネイルズ] |
released | 1994年 |
origin | Cleveland, Ohio, US |
comment | インダストリアルというジャンルにおいて、その頂点に位置するアーティストと言えばNINE INCH NAILSなのではないだろうか? 筆者がNINE INCH NAILSを知った切っ掛けは、GUNS N' ROSES[ガンズ・アンド・ローゼズ]のW. Axl Rose[W・アクセル・ローズ]がNINE INCH NAILSを推していたからだ。 ただし、1st「PRETTY HATE MACHINE」を聴いたときは「激しめのシンセポップ」という感じで、そこまで嵌らなかった。 嵌ったのは、EP「BROKEN」でのスラッシュ・メタルにも通じる激烈なサウンドを聴いてからだ。 そして、NINE INCH NAILSの最高傑作と言えば、この2nd「THE DOWNWARD SPIRAL」になるだろう。 激烈でありながら、暗闇に沈んでいくようなこのサウンドこそがNINE INCH NAILSでありTrent Reznor[トレント・レズナー]なのである。 |
■ 第7位
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title | PSALM 69: THE WAY TO SUCCEED AND THE WAY TO SUCK EGGS[ΚΕΦΑΛΗΞΘ -詩篇69-] (5th album) |
artist | MINISTRY[ミニストリー] |
released | 1992年 |
origin | Chicago, Illinois, US |
comment | インダストリアルというジャンルにおいて、その頂点に位置するアーティストがNINE INCH NAILSだとするならば、パイオニアに位置するアーティストはMINISTRYなのではないだろうか? この話は日本でMINISTRYを語るときに必ず出てくる話しなのだが、MINISTRYが日本のロック・ファンに大きく認知される切っ掛けとなったのはスラッシュ・メタル・バンドMEGADETH[メガデス]の来日公演だ。 MEGADETHが来日公演時のSEにMINISTRYの4th「THE MIND IS A TERRIBLE THING TO TASTE」を使っていたのだ。 筆者もMEGADETH切っ掛けで「THE MIND IS A TERRIBLE THING TO TASTE」に嵌り、次作となるこの「PSALM 69」でMINISTRYに完全にノックアウトされたクチである。 このアルバムはエレクトロニック・ボディ・ミュージックとスラッシュ・メタルの完璧な融合である。 MINISTRYは共和党が政権政党であるときに名作をリリースすると言われており、Al Jourgensen[アル・ジュールゲンセン]というミュージシャンは根っからのアンチ保守勢力なのである。 |
■ 第6位
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title | HEAVY AS A REALLY HEAVY THING[超怒級怒濤重低爆音] (1st album) |
artist | STRAPPING YOUNG LAD[ストラッピング・ヤング・ラッド] |
released | 1995年 |
origin | Vancouver, British Columbia, Canada |
comment | 天才Steve Vai[スティーヴ・ヴァイ]に見出された男もやはり天才だった。 STRAPPING YOUNG LADのDevin Townsend[デヴィン・タウンゼンド]が、Steve Vaiの「SEX & RELIGION」(1993年)のシンガーに抜擢されたは若干21歳のときである。 そのDevin TownsendがSteve Vaiの元を去って立ち上げたプロジェクトがこのSTRAPPING YOUNG LADだ。 この1stアルバムはSTRAPPING YOUNG LAD名義となっているが、ソングライティング、ギター、ヴォーカル、キーボード、プログラミング、ミキシング等々、アディショナル・ミュージシャンは使っているものの、Devin Townsendが殆ど1人で作り上げている。 徹頭徹尾、妥協を許さない機械的なメタルサウンドを聴きたいときには持って来いの1枚でなのである。 |
■ 第5位
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title | KILLING JOKE[黒色革命] (1st album) |
artist | KILLING JOKE[キリング・ジョーク] |
released | 1980年 |
origin | Notting Hill, London, England, UK |
comment | インダストリアルの原点というのは諸説あると思うのだが、現在、我々が共有しているインダストリアルのイメージを作ったのは、英国のTHROBBING GRISTLE[スロッビング・グリッスル]、CABARET VOLTAIRE[キャバレー・ヴォルテール]、KILLING JOKE、米国のSWANS[スワンズ]、BIG BLACK[ビッグ・ブラック]、ドイツのEINSTÜRZENDE NEUBAUTEN[アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン]あたりだろう。 この中で筆者が最も熱心に聴いたのはKILLING JOKEだ。 KILLING JOKEは90年代以降のアルバムの方がインダストリアル的な要素が強まり、この1stアルバムも含めて80年代のアルバムはポストパンク的な要素の方が強い。 しかし、このアルバムから聴こえてくる冷ややかでありながらもアグレッシヴな音は間違えなく、その後のインダストリアル系アーティストに多大なる影響を与えている。 そして、このバンドのギタリストGeordie Walker[ジョーディー・ウォーカー]は、BAUHAUS[バウハウス]のDaniel Ash[ダニエル・アッシュ]、ECHO & THE BUNNYMEN[エコー&ザ・バニーメン]のWill Sergeant[ウィル・サージェント]と並ぶ、ポストパンク世代の3大ギタリストでもある。 |
■ 第4位
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title | VIOLENT NEW BREED[ヴァイオレント・ニュー・ブリード] (3rd album) |
artist | SHOTGUN MESSIAH[ショットガン・メサイア] |
released | 1993年 |
origin | Skövde, Sweden |
comment | SHOTGUN MESSIAHは、元々はグラム・メタル・バンドだったのだが、この3rd「VIOLENT NEW BREED」では突如その音楽性をインダストリアル・メタルに路線変更した。 90年代初期は路線変更するグラム・メタル・バンドが多かったのだが、このSHOTGUN MESSIAHの路線変更については、売れたかどうかは別にして、かなり成功したケースである。 グラム・メタル・バンドのギタリストは、テクニックよりも雰囲気で聴かせる人が多かったのだが、このバンドのギタリストであるHarry Cody[ハリー・コーディ]は物凄いテクニシャンであり、それがこのインダストリアル・メタル路線と実によく合っているのだ。 結局、このアルバムを最後にSHOTGUN MESSIAHは解散するのだが、その後、シンガーのTim Sköldは、KMFDMやMARILYN MANSONでベーシストやマルチ・インストゥルメンタリストとして活躍する。 Harry Codyは、Tom Waits[トム・ウェイツ]のアルバム「REAL GONE」に参加したりしていたのだが、現在では表舞台からは退いているようだ。 |
■ 第3位
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title | L'EAU ROUGE[ロー・ルージュ] (2nd album) |
artist | THE YOUNG GODS[ザ・ヤング・ゴッズ] |
released | 1989年 |
origin | Geneva, Switzerland |
comment |
THE YOUNG GODSの3rdは「THE YOUNG GODS PLAY KURT WEILL」という全曲Kurt Weill[クルト・ヴァイル]のカヴァー・アルバムであり、Kurt Weillから多大な影響を受けている。 初期のTHE YOUNG GODSとは全然違うのだが、アンビエントな音が心地良い名盤である。 |
■ 第2位
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title | ANGST[アングスト] (7th album) |
artist | KMFDM[ケーエムエフディーエム] |
released | 1993年 |
origin | Hamburg, Germany |
comment |
KMFDMは、現在でも頻繁に聴くアーティストだ。 これも愛聴しているのだが、1枚取り上げるとなると、どうしても90年代のアルバムから選びたくなる。 |
■ 第1位
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title | THE SWINING[ザ・スワイニング] (3rd album) |
artist | PIG[ピッグ] |
released | 1993年 |
origin | London, England, UK |
comment |
PIGもKMFDMと並び、現在でも頻繁に聴くアーティストだ(PIGことRaymond WattsはKMFDMのメンバーだった時期もあった)。 これも愛聴しているのだが、1枚取り上げるとなると、どうしても90年代のアルバムから選びたくなる。 |
インダストリアル・ロックとインダストリアル・メタルの境界線は曖昧だ。
インダストリアル・ミュージックと呼ばれることもあれば、単にインダストリアルと呼ばれることもある。
しかし、インダストリアル(industrial)は形容詞なので、ロック、メタル、ミュージックなどを付けなければ座りが悪い。
今回のタイトル「好きなインダストリアルのアルバム10選」というのは、我ながら変なタイトルを付けてしまったなと思うのだが、インダストリアルと付くジャンル全般だと思ってほしい。
今回選んだ10枚は、意図した訳ではないのだが、下位5組が米国出身のアーティスト、上位5組が欧州出身のアーティストになった。
今回のリストでは、
1位:PIG
2位:KMFDM
3位:THE YOUNG GODS
としたのだが、この3組は筆者にとっての不動のトップ3であり、順位はあくまでの今日の順位である。
明日には変わっている可能性もある。