2000年以降は自分の好みに合う新人アーティストが殆ど登場しなくなった。
これは、筆者の耳が古すぎて新しい音について行けなくなったからだと思っている。
故に、このブログでも2000年以降に登場した新人アーティストを取り上げることは稀であり、今のところその回数は一桁しかない。
しかし、絞り出してみるといくつか出てくるので、#0131ではLIVING THINGS〔リヴィング・シングス〕の1stアルバム「BLACK SKIES IN BROAD DAYLIGHT」(2004年リリース)を取り上げた。
そして、今回も久々に2000年以降に登場した新人アーティストを取り上げてみようと思う。
そのアーティストは、オーストラリア出身のハード・ロックン・ロール・バンドAIRBOURNE〔エアボーン〕であり、取り上げるアルバムは彼らの1stアルバム「RUNNIN' WILD」だ(オーストラリア出身のアーティストを取り上げるのも久しぶりだ)。
このバンドを知った切っ掛けは、MOTORHEAD〔モーターヘッド〕のLemmy〔レミー〕が彼らのことを推していたのをインタビューか何かで見たからである。
そして、AIRBOURNE自身が、「AC/DC〔エーシー・ディーシー〕から大きな影響を受けた」と言っていることも知り、MOTORHEAD、AC/DCというバンドの名前が出てきた以上、筆者のようなロックン・ロール・ジャンキーはこのバンドを聴かずにはいられなくなったのである。
試聴もせずに彼らの1stアルバム「RUNNIN' WILD」をAmazonで購入し、届いたCDを再生してみたところ、30秒くらいで見事にノックアウトされた。
音楽性は、AC/DCからブギー感を少し後退させ、それをメタリックにアップデートしたような、これと言った捻りも無いサウンドなのだが、筆者のような古い耳のロック・リスナーにとっては、それがドンピシャに嵌るのである。
新しさなんて何一つ無い、ただのハード・ロックン・ロール・バンドだ。
中毒性の高いキャッチーなリフと単純明快なギター・ソロ、タイトでボトムがしっかりとした極太の8ビート、これぞ偉大なるマンネリズムである。
実際のところ、AIRBOURNEのような音を出すバンドは1980年代には穿いて捨てるほどいたのだが、現在では希少種となってしまった感がある。
しかし、こういうバンドは無くならないのである。
そして、筆者のような古いロックン・ロール・ジャンキーにとっては、無くなってもらっては困るバンドなのである。
MOTORHEADはLemmyの死により解散を余儀なくされ、AC/DCもBrian Johnson〔ブライアン・ジョンソン〕の体調不良やMalcolm Young〔マルコム・ヤング〕の死により活動が危ぶまれる状態だ。
THE ROLLING STONES〔ザ・ローリング・ストーンズ〕のメンバーも後数年で80歳に手が届くところまで来ているので、活動のペースは緩やかでアルバムのリリースは約10年に1枚くらいだ。
偉大な先人たちが高齢化により最前線から離れつつある現在、AIRBOURNEのような新人(今ではもう中堅か?)が登場するのは頼もしい限りである。