#0046) FEEL THE STEEL / STEEL PANTHER 【2009年リリース】

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このブログを書き始めて半年以上過ぎているが、取り上げたアルバムのリリース年を改めて見返すと、2000年代以降にリリースされたアルバムを2枚しか取り上げていないことに気付いた。


1枚はTHE QUIREBOYS〔ザ・クワイアボーイズ〕の「THIS IS ROCK'N'ROLL」(2001年リリース)、もう1枚はTHE LONDON COWBOYS〔ザ・ロンドン・カウボーイズ〕の「RELAPSE」(2008年リリース)である。


しかし、THE QUIREBOYSの「THIS IS ROCK'N'ROLL」は1980年代後半から1990年代前半に活動していた彼らが解散した後、再結成されてからの復活作であり、THE LONDON COWBOYSの「RELAPSE」は1980年代前半に活動していたバンドのコンピレーション・アルバムだ。


いずれも2000年代以降に登場したアーティストではない。


そこで2000年以降に登場したアーティストのアルバムも取り上げてみたくなったので、「一番よく聴いた2000年以降に登場したアーティストのアルバムは何かな?」と考えてみたところ、すぐに思いついたのがこのアルバムだった。


STEEL PANTHER〔スティール・パンサー〕の1stアルバム「FEEL THE STEEL」だ。


「鋼鉄の女豹」という、カッコいい邦題も付いている。


このバンドは、所謂(いわゆる)、グラム・メタル、或いはヘア・メタル、日本ではLAメタルと言われていた音楽性を持つバンドだ。


タワーレコードでこのアルバムを見つけた時はぶっ飛んだ。


その1980年代丸出しのギラギラのグラム・メタル・ファッションに身を積んだメンバーが写されたアルバム・ジャケットを見た時は、当時活動していたバンドの再結成アルバムかと思って手に取ってみたのだが、STEEL PANTHERなんていうバンドは聞いたことがない。


筆者がロックを聴き始めた頃に最もよく聴いていたのが英国のニュー・ウェーヴと米国のグラム・メタルだ。


なので、自慢じゃないがグラム・メタルには詳しい。


そんな筆者が知らない未知のバンドSTEEL PANTHER


これは、もう買うしかないと判断し、レジに持って行ったのは一瞬の出来事だった。


そして、再生したCDから流れてきた音は1980年代そのままのグラム・メタルだった。


MOTLEY CRUE〔モトリー・クルー〕、RATT〔ラット〕、BON JOVIボン・ジョヴィ〕、POISON〔ポイズン〕、CINDERELLA〔シンデレラ〕等、往年のグラム・メタル・バンド達が脳裏をよぎる。


1980年代そのままということにも驚いたのだが、それ以上に驚いたのが、その楽曲のクオリティの高さである。


どんなムーヴメントでも同じだが、あるバンドが成功すると、それに続いて雨後の筍のように似たバンドが出てくる。


更に、レコード会社の青田買いにより、似たようなバンドのレコードが次々と世に出される。


しかし、本当に才能のあるバンドは少なく、雨後の筍とレコード会社の青田買いにより、中には「まだレコードを出すレベルではないバンド」もいたりする。


STEEL PANTHERはこのアルバム1枚で、そんな「雨後の筍」をはるかに凌駕していることが判った。


凌駕しているどころか、このアルバムがもし1980年代にリリースされていたら間違いなくトップレベルのバンドになっていたと言い切れるだけのポテンシャルがある。


筆者はSTEEL PANTHER のプロフィールを知らないままこのアルバムを買ったので、このバンドのことを、2000年代に出てきた1980年代のグラム・メタルをオマージュした若手バンドだと思っていたのだが、どうやらそれが間違っていたことを後から知ることになる。


ヴォーカルのMichael Starr〔マイケル・スター〕は1965年生まれ、ギターのSatchel〔サッチェル〕は1970年生まれ、けして若いバンドではない。


メンバーはそれぞれ1980年代から活動しているベテラン揃いである。


グランジ/オルタナティヴ以降、こういうグラム・メタルは馬鹿にされる傾向がある。


もちろん、グランジ/オルタナティヴのようなリアリティのあるバンドも良い。


しかし、筆者はSTEEL PANTHERのようなロックの楽しさを解り易く教えてくれるバンドも必要だと思えてならない。