#0123.1に続き、もう一冊、番外編として本を取り上げてみる。
今回は、シンコー・ミュージックからのムック本、「CROSSBEAT Presents from PUNK to POST-PUNK」である。
詳しくは出版社の公式サイトを見て頂きたい。
筆者がロックを聴き始めたのは1980年代初期であり、これはパンク・ムーヴメントが完全に終わり、ポストパンクの隆盛もそろそろ終わりに向かおうとしている時期と重なる。
そんな筆者にとってパンク~ポストパンクはリアルタイムで体験することが出来なかった「最も近い生々しいロックの歴史」であり、当時の洋楽雑誌にパンク~ポストパンクの特集記事が掲載された時などは必死に読み耽ったものである。
「CROSSBEAT Presents from PUNK to POST-PUNK」はそのタイトルのとおり、パンク~ポストパンクのミュージシャン、写真家、DJへのインタビュー記事で構成されたムック本なのだが、インタビューを受けている各人がバンド成立の過程やバンド内のメンバーに対する好意も敵意も入り乱れた複雑な感情を吐露しており、読んでいて興奮が抑えられない一冊となっている。
過去に存在した洋楽雑誌CROSSBEATに掲載されたインタビューもあるようだが、それらの記事にも掲載当時はカットした部分を新たに挿入するなど、大幅な編集が加えられているので過去に同じインタビューを読んだことがある人も新しい発見が出来るのではないだろうか。
筆者としては、Sylvain Sylvain〔シルヴェイン・シルヴェイン〕がNEW YORK DOLLS〔ニューヨーク・ドールズ〕結成の経緯を語っている記事が最も面白く感じることが出来た。
特に自分(Sylvain Sylvain)がギターを教えてあげたJohnny Thunders〔ジョニー・サンダース〕から言われたという、あるセリフが面白く、それがあまりにもJohnny Thundersらしいので不覚にもニヤリとしてしまった。
これは、ぜひともJohnny Thundersフリークに読んで頂きたいインタビューである。