STEREOPHONICS〔ステレオフォニックス〕はブリットポップに含まれるのかなと思い、Wikipediaで調べてみた。
日本語版のページには「ロック、ハード・ロック、オルタナティヴ・ロック、インディー・ロック、ブリットポップ」と書かれており、英語版のページには「Alternative Rock、Post-Britpop、Rock」と書かれている。
ブリットポップ最後の大物バンドMANSUN〔マンサン〕の1stアルバム「ATTACK OF THE GREY LANTERN」のリリースが1997年、そして、STEREOPHONICSの1stアルバム「WORD GETS AROUND」のリリースも同じく1997年なので、時期的にはブリットポップにカスっているという感じだ。
Wikipediaを鵜呑みにするのは如何なものかなとも思うのだが、そのアーティストのベーシックな情報を知るには便利だ。
正直なところ筆者はSTEREOPHONICSのことをブリットポップという範疇にいるバンドとして見たことが無い。
では、オルタナティヴ・ロックやインディー・ロックかと問われればそれも違う。
ハード・ロックかと問われた場合、ちょっとカスっているような気がしてくるが、一番しっくりとくるのは、単に「ロック」という呼び方だ。
STEREOPHONICSはしっかりとした骨太の歌と演奏を聴かせてくれるバンドであり、これはこの時期の英国のバンドとしては珍しい。
ブリットポップや、そのルーツとなったポストパンクやニュー・ウェイヴ等、1980年前後から登場した英国のバンドは技術よりもアイディアで聴かせるバンドが多い。
それに嵌って聴いている時期はカッコ良いなと思うのだが、そこから離れてハード・ロックやサザン・ロックを暫く聴き続ける時期を挟んで再び戻ってくると、件のバンドの多くがあまりにもヘナチョコすぎて驚くことがあるのだ。
しかし、STEREOPHONICSに関してはそれがなく、歌も演奏も安心して聴いていられるのである。
今回取り上げた2ndアルバムの「PERFORMANCE AND COCKTAILS」を聴いた時は、その王道ロックぶりに歓喜したものである。
この逞しい王道ロックを聴いていると、Jimmy Page〔ジミー・ペイジ〕やPaul Weller〔ポール・ウェラー〕等、多くの大物達から賛辞を贈られるのも成程と頷けるのである。