HILLBILLY BOPS〔ヒルビリー・バップス〕は1980年代に活動していた日本のロカビリー・バンドだ。
1986年にメジャー・デビューし、順調に活動を続けていたが、人気絶頂だった1988年にヴォーカリストの宮城宗典〔みやぎむねのり〕が突然自殺でこの世を去っている。
その後、新しいヴォーカリストが加入して活動を再開するものの、宮城宗典がいた頃ほどの商業的成功を修めることが出来ず、1990年に解散した。
HILLBILLY BOPSの活動期間は筆者の高校時代と大体重なっている。
当時の筆者は、お小遣いやアルバイトで稼いだお金を洋楽ロックのレコードやCDを買うことに次ぎ込んでいたので邦楽ロックにまで回せるお金が全く無かった。
従って、筆者は邦楽ロックには疎かったわけだが、そんな筆者でもHILLBILLY BOPSはメディアへの露出も多かったので知っていたし、彼らのメジャー・デビュー曲"微熱なキ・ブ・ン(とびきり16歳)"をテレビで聴いた時は、「カッコ良い和製ロカビリーだな」と思ったものである。
ヴィジュアルを見ると、けっこうアイドル・バンドっぽいルックスをしていて、実際のところ女子からの人気も高かったのだが、ロカビリー・バンドとしての演奏はかなり達者で、ライヴ・ハウスでの叩き上げ感のある硬派なバンドでもあった。
HILLBILLY BOPSが活動していた頃(1980年代後半)の日本の音楽シーンは、従来の歌謡曲から離れて漸くロックが確立してきた時期と重なる。
HILLBILLY BOPSの曲も歌謡曲のシーンに食い込めるキャッチーな要素も残しつつ、ロカビリー・バンドとして十分なスキルも備えているところが凄い。
今回取り上げたのは、そんなHILLBILLY BOPSの(たぶん)メジャー・デビュー30周年記念アルバム「30TH ANNIVERSARY COMPLETE BEST」だ。
先ほど述べたように、当時の筆者は洋楽ロックのレコードやCDにお金を次ぎこんでいたのでHILLBILLY BOPSのレコードを買うお金が全く無かった。
しかし、幸いにも邦楽ロックに詳しかった同級生のK君からHILLBILLY BOPSのレコードを録音したカセットテープを貰うことが出来た。
筆者にとっては、友達との大切な想い出の詰まったバンドでもあるのだ。