3大ブリティッシュ・ブルース・ロック・バンドと言えばFLEETWOOD MAC〔フリートウッド・マック〕、CHICKEN SHACK〔チキン・シャック〕、SAVOY BROWN〔サヴォイ・ブラウン〕である。
このブログでは既にFLEETWOOD MACとCHICKEN SHACKを取り上げているので、やはり、SAVOY BROWNも取り上げるべきだろう。
FLEETWOOD MACを取り上げた時にも書いたのだが、筆者が3大ブリティッシュ・ブルース・ロック・バンドを知った切っ掛けは、ロックを聴き始めた頃(1980年代初頭)に毎月購入していた洋楽雑誌のMUSIC LIFEだ。
古い記憶なのディテールは曖昧だが、当時購入したMUSIC LIFEの巻末特集で、1960年代の英国のアーティストをジャンル別に紹介する記事が掲載されていて、その記事により3大ブリティッシュ・ブルース・ロック・バンドを知ったことだけは明確に憶えている。
ただし、その記事を読んで直ぐにSAVOY BROWNのレコードを買ったかというと、そう言う訳でもなく、むしろSAVOY BROWNから派生したバンドのFOGHAT〔フォガット〕の方を先に聴いている。
FOGHATが5thアルバム「FOOL FOR THE CITY」で聴かせてくれた痛快でご機嫌なブギー・ロックが大好きだったので、いつかはSAVOY BROWNも聴かなければと思っていたのだが、結局SAVOY BROWNを聴いたのは2000年代になってからだった。
今回取り上げた「GETTING TO THE POINT」はSAVOY BROWNの2ndアルバムであり、筆者が初めて聴いたSAVOY BROWNのアルバムだ。
初期の3大ブリティッシュ・ブルース・ロック・バンドは、いずれもブルース・ロックというよりも、ブルースそのもののようなテイストがあるのだが、中でもSAVOY BROWNが最もブルースへの傾倒が激しように思える。
ポピュラーミュージックのリスナー向けにブルースをキャッチーに聴かせようという配慮は無く、これでも喰らえと言わんばかりにディープなブルースを叩きつけてくるのである。
これはSAVOY BROWNの中心人物、というよりもSAVOY BROWNそのものであるKim Simmonds〔キム・シモンズ〕の趣味が丸出しになっているからであり、彼の弾くFreddie King〔フレディ・キング〕風のギターがSAVOY BROWNの音楽性を決定付けている。
FOGHATのようなキャッチーなブギー・ロックを期待して聴いた筆者のようなリスナーは、SAVOY BROWNが奏でる濃い目のブルースに意表を突かれるわけだが、ブルース好きにとって、これはむしろ嬉しい不意打ちであり、何だかちょっと得した気分になれるのである。