Bootsy Collins[ブーツィー・コリンズ]と言えば、御大James Brown[ジェームス・ブラウン]のバック・バンドや、George Clinton[ジョージ・クリントン]率いるPファンクでの活動で有名な凄腕ベーシストだ。
今回は、そのBootsy CollinsがBOOTSY'S RUBBER BAND[ブーツィーズ・ラバー・バンド]としてリリースした2ndアルバムの「AHH... THE NAME IS BOOTSY, BABY!」を取り上げている。
いきなり話は逸れるが、筆者の人間関係は広くて浅い。
若い頃は、その傾向が殊の外、顕著だった。
それ故、自分と同じように音楽を好む人達とも、広くて浅い付き合いをするため、様々な音楽に精通している人との交流が、知らず知らずのうちに広がっていく。
Bootsy Collinsに関しては、筆者が若い時にブラック・ミュージックの先生として師事していたバンドマンのお兄さんから教えてもらった。
そのバンドマンのお兄さんが「これを聴け」と言って貸してくれた1枚が、今回取り上げている「AHH... THE NAME IS BOOTSY, BABY!」なのである。
このアルバムがリリースされたのは1977年なので、1969年生れで1982年頃から洋楽を聴き始めた筆者にとっては、完全に後追いの作品である。
当時の筆者にとって、1970年代とは名盤の宝庫という印象があり、1970年代の名盤と言われるアルバムを聴き漁っていたのだが、Bootsy Collinsというミュージシャン、そして、このアルバムのことは全く知らない状態だった。
未知の状態で出会ったアルバムなので、恐る恐る聴いてみたのだが、スピーカーから飛び出してきたクールなカッコ良さに筆者は一発でノックアウトされたのである。
ファンクに対し、筆者は濃厚で熱いというイメージを持っていたのだが、このアルバムによって、そのイメージを覆されたのだ。
確かに、このアルバムにも「濃厚で熱い」部分はあるのだが、それよりもクールなカッコ良さがの方が際立っているのである。
収録されている全てが名曲・名演なのだが、中でも6曲目(B面2曲目)の"Munchies for Your Love"は鼻血が吹き出すほどのカッコ良さだ。
この曲は9分を超える長尺の曲なのだが、この曲を聴いている時間があまりにも幸せ過ぎるので、恍惚としている間に、一瞬にして時間が過ぎてしまうのである。