#0022) ELECTRIC WARRIOR / T. REX 【1971年リリース】

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今回はT. REX〔T・レックス〕の「ELECTRIC WARRIOR」を取り上げてみようと思う。


T. REXとしては2ndアルバム、前身となるTYRANNOSAURUS REX〔ティラノザウルス・レックス〕時代からカウントすると6thアルバムとなる。


T. REXはバンドなので、一応、


Marc Bolanマーク・ボラン〕(vocals, guitars)
・Mickey Finn〔ミッキー・フィン〕(percussion)
・Steve Currie〔スティーヴ・カーリー〕(bass)
・Bill Legend〔ビル・レジェンド〕(drums)


というメンバー構成になってはいるが、実際にはMarc Bolanのソロに限りなく近い。


現在で言うと、Al Jourgensen〔アル・ジュールゲンセン〕のMINISTRY〔ミニストリー〕や、Trent Reznor〔トレント・レズナー〕のNINE INCH NAILSナイン・インチ・ネイルズ〕等、「バンドの体裁をとってはいるが、実際はソロ・プロジェクト」というアーティストの元祖かもしれない。


筆者は1980年代前半からロックを聴き始めたのだが、最初の頃はリアルタイムか、その少し前にリリースされたアルバムを聴いていた。


そのうち、当時読んでいた雑誌「音楽専科」に掲載されていたグラム・ロック特集でT. REXやDavid Bowieデヴィッド・ボウイ〕の過去のカタログに興味を持ち、レコード店に頼んで取り寄せてもらって買ったのが、T. REXの「ELECTRIC WARRIOR」とDavid Bowieの「THE RISE AND FALL OF ZIGGY STARDUST AND THE SPIDERS FROM MARS」だった。


グリッター感を全開にしたグラム・ロック・スターとしてのT. REXを聴きたいのであれば次作の「THE SLIDER」だと思うのだが、Marc Bolanの書く美しい曲を堪能したいのでれば「ELECTRIC WARRIOR」だろう。


このアルバムは、とにかく美しい。


グリッター感を全開にしたグラム・ロック・ナンバーは、"Jeepster"と"Get It On"くらいではないだろうか?


エレクトリック・ギターが鳴ってはいるが、全体的にはフォーク・ロック的な儚げな曲が多い。


このアルバムに収録された曲の美しさは、所謂美メロというものとはちょっと違う。


なにかこう、優しい手でハートをきゅっと掴まれるような感覚だ。


グラム・ロックの衰退とともにT. REXの人気も下降していくのだが、実は人気が下降してから書かれた曲も美しい。


良い曲を書けば必ず売れるという単純な図式が成り立たない。


これがロックというショー・ビジネスの難しさなのだろう。