#0298) VISAGE / VISAGE 【1980年リリース】

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筆者が洋楽を聴き始めた頃に売れていたアルバムと言えばDURAN DURANデュラン・デュラン〕の「SEVEN AND THE RAGGED TIGER」やCULTURE CLUBカルチャー・クラブ〕の「COLOUR BY NUMBERS」であり、これらは1980年代初頭に英国で興ったニュー・ロマンティック・ムーヴメント終焉期の作品だ。


しかし、これらの人気アーティストはニュー・ロマンティックを象徴する存在ではない。


象徴する存在というのは、例えば時代を1970年代に遡るなら、グラム・ロックにおけるMarc Bolanマーク・ボラン〕および彼のバンドT. REX〔T・レックス〕とDavid Bowieデヴィッド・ボウイ〕、サザン・ロックにおけるTHE ALLMAN BROTHERS BAND〔ジ・オールマン・ブラザーズ・バンド〕とLYNYRD SKYNYRDレーナード・スキナード〕のような、そのジャンルやムーヴメントの発端となり、且つ、シンボル的な存在のことだ。


であるならニュー・ロマンティックを象徴する存在は、1980年に「KINGS OF THE WILD FRONTIER 」をリリースしたAdam Ant〔アダム・アント〕率いるバンド ADAM AND THE ANTS〔アダム・アンド・ジ・アンツ〕と、同じく1980年に「VISAGE」をリリースしたSteve Strange〔スティーヴ・ストレンジ〕をフロントに立てたシンセポップ・ユニットVISAGE〔ヴィサージ〕ということになる。


ADAM AND THE ANTSは既にこのブログで取り上げているので、ニュー・ロマンティックのもう一つの象徴であるVISAGEも取り上げなければバランスに欠けるので、今回はVISAGEの1stアルバム「VISAGE」を取り上げることにした。


筆者にとって、「VISAGE」というアルバムはリアルタイムで聴けた作品ではないのだが、中学時代の筆者にはEちゃんという洋楽に詳しい同級生の女子がいて、彼女より更に洋楽に詳しい彼女のお姉さんからカセットテープに「VISAGE」を録音してもらい聴くことができた。


このアルバムはメロディが秀逸な80’s風の無機質なシンセポップなのだが、色々な音楽を聴いてきた今の耳で改めて聴いてみるとDavid Bowieのベルリン三部作(イーノ三部作)、中でも「"HEROES"」からの影響が強いように思われる。


これはたぶん、VISAGEのブレインであるULTRAVOX〔ウルトラヴォックス〕のMidge Ureミッジ・ユーロ〕のセンスによる音作りなのだろう。


Steve Strangeも、自身が経営していたクラブでDavid Bowie Nightを開催していた人物なのでBowieへの憧憬が「VISAGE」を聴くと直ぐに分かる。


VISAGE」というアルバムを聴いていると、英国におけるBowieの影響力というのは、もしかするとTHE BEATLESザ・ビートルズ〕を超えているのではないかと思えてくるのである。