#0183) SAXOPHONE COLOSSUS / Sonny Rollins 【1956年リリース】

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#0173で取り上げたJohn Coltraneジョン・コルトレーン〕と並ぶテナー・サックスのレジェンドと言えば、Sonny Rollinsソニー・ロリンズ〕であることに異論を唱える人はいないだろう。


誰の台詞かは忘れたのだが、サクソフォーンがジャズにおける花形楽器である理由はJohn ColtraneSonny Rollinsがいるからだということを何処かで読むか聴くかした記憶がある。


全くもって、その通りだと思うのだが、40歳という若さで亡くなったJohn Coltraneに対し、Sonny Rollinsはこの記事を書いている2019年3月現在で御年88歳の存命人物であり、正に生きるレジェンドなのである。


このブログでジャズのアーティストを取り上げる時に必ず書いているとおり、Sonny Rollinsも筆者がとある地方都市に長期出張していた時に通っていたジャズ喫茶のマスターから教えてもらったアーティストだ。


Sonny Rollinsは、ジャズについて殆ど知らない頃に(というか今でもジャズのことは殆ど分かっていないのだが)、上記のマスターから今回取り上げた「SAXOPHONE COLOSSUS」を聴かせてもらい、1曲目の"St. Thomas"がジャズ喫茶のスピーカーから流れてきた瞬間にぶっ飛んだ。


後から知ったのだが、この曲"St. Thomas"にはカリプソというカリブ音楽のリズムが取り入れられており、筆者がそれまでに聴いたことのあるどの音楽とも違う新鮮さがあったのである。


曲のモチーフはカリブ海ヴァージン諸島に浮かぶセント・トーマス島なのだが、正にカリブの島々を連想させるような、その心を躍らせるリズムにSonny Rollinsのつんのめるようなアフタービートのサクソフォーンが絡む。


"St. Thomas"とは、これから「SAXOPHONE COLOSSUS」という至福の時を過ごせるアルバムの幕開けに、これ以上無いというくらい相応しい名演なのである(名曲ではなく名演である)。


ジャズという音楽は、「イントロ~テーマ~アドリブ(テーマの倍数の長さ)~テーマ」という具合に、およそこういう構成らしいのだが、Sonny Rollinsの演奏というのはテーマの段階で既にアドリブのような凄まじい迫力があり、聴いている方は何も考えずに、ただただ彼の演奏に身を任せられる。


「SAXOPHONE COLOSSUS」を聴いていると、「難しいことは考えずに俺の演奏を聴いて楽しめ」というSonny Rollinsの声が聞こえてくるような錯覚に陥る時がある。


筆者にとっては、このアルバムこそがジャズの王道に思えてならない。