SADE〔シャーデー〕のことは最初に聴いた時からしばらくの間、女性ソロ・アーティストだと思っていたのだが、実は、
・Sade Adu〔シャーデー・アデュ〕(vocals)
・Stuart Matthewman〔スチュアート・マシューマン〕(guitars, saxophone)
・Paul Denman〔ポール・デンマン〕(bass)
・Andrew Hale〔アンドリュー・ハイル〕(keyboards)
の4人によるバンドだと知って、けっこう驚いた。
Sade Aduというシンガーは、歌もルックスも、とてつもなく個性的なので、ソロ・アーティストとしてデビューしていたとしても確実に売れていたはずだ。
バンドとしてデビューすることに何らかのアドバンテージがあったとはとても思えないし、あえてバンドと名乗っているのにドラムが居ないのは不完全だ。
筆者はSADEの長年のリスナーだが、未だにSADEのことを、バンドではなく女性ソロ・アーティストだと認識してしまっている。
SADEのアルバムを取り上げるにあたり、どれを選ぶか迷ったのだが、珠玉の名曲"Kiss Of Life"が収録されている4thアルバム「LOVE DELUXE」を選ぶことにした。
「LOVE DELUXE」のジャジーで高貴なそのサウンドは、少し贅沢な気分に浸りたい時にぴったりだ。
ただし、SADEに関しては、どれか一枚だけアルバムを選ぶ意味はあまりないような気がしている。
寡作(かさく)なアーティストなので、お金に余裕のある人なら全アルバムを大人買いすることも可能だろう。
デビューした1980年代には「DIAMOND LIFE」、「PROMISE」、「STRONGER THAN PRIDE」という具合に、かろうじて3枚のアルバムを発表したが、1990年代は今回取り上げた「LOVE DELUXE」のみ、2000年代は「LOVERS ROCK」のみ、2010年代は今のところ「SOLDIER OF LOVE」のみだ。
ダウンロード世代にとってはアルバムというフォーマットに大きな価値は無いのかもしれないが、アナログ・レコード~CD世代の筆者にとっては、どのアルバムに手を出しても高水準のクオリティを提供してくれるSADEは、何時でも何処でも安心して聴けるありがたい存在である。