Rock'n'Roll Prisoner's Melancholy

好きな音楽についての四方山話

#0051) まにぐるま / 騒音寺 【2004年リリース】

f:id:DesertOrchid:20180415125138j:plain

 

これまで一度も日本のアーティストを取り上げてこなかったので、ここら辺で日本のアーティストを取り上げてみる。


取り上げるアーティストは、筆者が日本のアーティストの中で最も好きなロックン・ロール・バンド騒音寺だ。


そして、取り上げるアルバムは4thアルバムの「まにぐるま」にする。


何故「まにぐるま」にしたかと言うと、筆者が最初に聴いた騒音寺のアルバムが「まにぐるま」だからであり、それ故に思い入れが深いからである。


実はこの騒音寺というバンド、筆者にとっては地元のバンドである。


故に地元のライヴハウスで何回か彼らのライヴを見たことがある。


そんな筆者が断言する。


騒音寺は、現存する日本のロック・バンドの最高峰だ。


否、世界的に見てもトップクラスのロック・バンドだと思う。


騒音寺ほどロックを、そしてロックン・ロールを解っているバンドはなかなかいない。


騒音寺の音楽性は、曲のタイトルを見るだけで何となく想像ができるのではないかと思う。


以下に「まにぐるま」の収録曲を列挙してみる。


01. 読経「騒音寺
02. 社会の窓から
03. ブルースが来るぜ
04. ガキのくせに
05. Let's go Danny
06. 夏の墓標
07. 道成寺 (安珍清姫)
08. ベルボトムは穿かない
09. 乱調秋田音頭
10. グッドナイト
11. Old man river


何曲か和風テイストを感じさせるタイトルがある。


騒音寺の音楽性を乱暴に説明すると、和風テイストのあるロックン・ロールだと言える。


しかし、筆者が言いたいのはそういう表面的なことではない。


筆者はこの騒音寺というバンドに、筆者の大好きなTHE GEORGIA SATELLITES〔ザ・ジョージア・サテライツ〕やHANOI ROCKSハノイ・ロックス〕やTHE DOGS D'AMOUR〔ザ・ドッグス・ダムール〕といったバンド達と同じ資質を感じている(他にも挙げたいバンドはあるのだが、きりが無いので80年代以降に登場したバンドから選んだ)。


もしかすると騒音寺からは「そんなバンド好きちゃうし」と言われるかもしれない。


音楽性については、上記したバンドはそれぞれが全く違うし、騒音寺と似ているわけでもない。


しかし、彼らのロックン・ロールに対するアティテュードは似ている。


いずれのバンドもTHE ROLLING STONESから影響を受けていることは確実なのだが、彼らのカッコ良いところは単にSTONESの模倣で終わるのではなく、そこに自分たちのルーツを反映させているところだ。


THE GEORGIA SATELLITESからは米国南部の匂いを感じ取ることができるし、HANOI ROCKSからは北欧フィンランドの匂いを感じ取ることができる。


THE DOGS D'AMOURはTHE ROLLING STONESと同じ英国のバンドだが、明らかにSTONESとは異なる英国の匂いを感じ取ることができる。


そして、騒音寺からは日本の、もっと突っ込んで言うと、京都の匂いを感じ取ることができるのである。


ロックとは、否、ロックン・ロールとは、流行りのリズムに聴き易いメロディをのせて、共感してもらい易い歌詞を詰め込んで歌うことではない。


信じている音楽、そして、愛している音楽に己の血を注ぎ込んで歌い演奏することだ。


時には簡単に共感してもらえないことを歌わなければならない場合もある。


でも、それがロックン・ロールだ。


そして、本物のロックン・ロールを聴きたいのなら、迷わず今直ぐ騒音寺を聴け!