筆者が10代の頃、回り居た(主にバイト先の)歳上世代のロック・ファンがほぼ共通して好きだったバンドが、DEEP PURPLE〔ディープ・パープル〕、RAINBOW〔レインボー〕、ZZ TOP〔ジー・ジー・トップ〕、そして、LYNYRD SKYNYRD〔レーナード・スキナード〕だった。
どう言う訳か、同じハード・ロックでもLED ZEPPELIN〔レッド・ツェッペリン〕は苦手でDEEP PURPLEとRAINBOWは大好き、同じサザン・ロックでもTHE ALLMAN BROTHERS BAND〔ジ・オールマン・ブラザーズ・バンド〕は苦手でZZ TOPとLYNYRD SKYNYRDは大好き、という構造までもが判で押したように共通していた。
彼らの影響で筆者も1970年代のハード・ロックやサザン・ロックを聴くようになったのだが、上記のバンドのレコードを聴いて納得した。
確かにLED ZEPPELINやTHE ALLMAN BROTHERS BANDが高度な音楽性を持っていることは判るのだが、ロックを聴き始めたばかりの耳には少々難解に聴こえる曲も少なくない。
筆者もLED ZEPPELINやTHE ALLMAN BROTHERS BANDの良さが解るまで結構な時間を要した。
それに比べてDEEP PURPLEやRAINBOW、ZZ TOPやLYNYRD SKYNYRDはロックを聴き始めたばかりの耳にもすんなり入ってくる解りやすさがある。
これらのバンドの曲は初めて聴いた時からノリノリで聴けるのである。
今日はその中からLYNYRD SKYNYRDの2ndアルバム「SECOND HELPING」を取り上げてみる。
このアルバムを初めて聴いたのは1980年代の後半で、その時の印象は「パンク・テイストを取り払ったGUNS N' ROSES〔ガンズ・アンド・ローゼズ〕」だった。
GUNS N' ROSESのミニ・アルバム「G N' R LIES」に収録されたいた一連のアコースティック・ソングに近いテイストを感じたのである。
LYNYRD SKYNYRD の曲は米国南部のルーツ・ミュージックをその根源に持ってはいるものの、ダイナミックで且つストレートなアレンジがハード・ロック的であり、1980年代のハード・ロックを聴いて育った筆者の耳にも何の違和感もなく入ってきた。
収録曲の全てがコンパクトなところもロック初心者には解りやすくて良い。
サザン・ロックと言えば確かにその通りなのだが、筆者はこのアルバムを聴く時は、サザン・テイストのあるハード・ロックとして楽しむことにしている。