#0089) SATURATION / URGE OVERKILL 【1993年リリース】

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1990年代初頭に米国で興ったグランジ/オルタナティヴのムーヴメントから出てきたアーティストは、グラム・メタルやポップ・メタル等のロック・スター的な煌びやかさを否定する姿勢があったので、殆どのアーティストは小汚い恰好をしていてファッショナブルではなかった。


しかし、その小汚さが逆にファッショナブルだということになり、ファッション業界ではグランジ/オルタナテ系アーティストの服装を真似たグランジ・ファッションという訳の分からない物を作り出していたが、筆者のような筋金入りのロック・ジャンキーから見ると、そのアーティストの音楽性や精神性を追求することなく、上っ面だけをなぞったグランジ・ファッションという物が滑稽に見えて仕方がなかった。


ロックとは、先ず音楽が良いことが前提であり、見てくれはファッショナブルであろうがなかろうが、そのアーティストが着たいものを着ればそれでよいのである。


上記のとおり、小汚い恰好の連中が多かったグランジ/オルタナテ系アーティストの中にもファッショナブルな連中は居た。


例えば、シカゴ出身のURGE OVERKILL〔アージ・オーヴァーキル〕だ。


メンバー三人がマフィアっぽいスーツでバシッとスタイリッシュに決めており、ヴォーカルとギターのNash Kato〔ナッシュ・カトー〕とベースのEddie "King" Roeser〔エディ・キング・ローサー〕の二人が長髪ワンレングスの双子コーデ、ドラムスのBlackie Onassis〔ブラッキー・オナシス〕一人が短髪でバンドのヴィジュアルのアクセントとなるという、所謂ZZ TOP〔ジージー・トップ〕スタイルだ。


彼らはヴィジュアルだけでなく、やっている音楽もスタイリッシュだった。


代表作は今回取り上げた4thアルバム「SATURATION」だろう。


このアルバムは、メジャー・レーベルからリリースされた第一弾アルバムであり、URGE OVERKILLというバンドを世界のロック・ファンに広く認知させた一枚でもある。


暑苦しさのまるで無いクールなロックン・ロールであり、ライヴ・ハウスよりもホテルのラウンジで演奏する方が似合いそうな大人のロックン・ロールを聴かせてくれる。


しかし、このURGE(衝動) OVERKILL(過剰殺戮)というバンド名、それだけを見ると相当過激なデス・メタル・バンドに見えなくもない。