最近、筆者が愛読しているブログ「SMELLS LIKE PUNK SPIRIT」のブロガーさんと、「好きなギタリストTop 5」や「好きなベーシストTop 5」のやり取りをして盛り上がっている。
昔、ロック好きやバンド仲間で集まった時に必ず話した王道ネタである。
上記のブロガーさんが制作/配信している「ロックンロール・レディオ」という番組でもこのネタを語っておられるのだが、これがとにかくロック好きには共感できる番組なので、興味を持たれた方は是非聴いて頂きたい。
ブログで「好きなギタリスト」についてのやり取りをしている時に、大好きな盲目のブルース・ギタリストJeff Healey〔ジェフ・ヒーリー〕のことを思い出した。
筆者も過去に彼が率いたTHE JEFF HEALEY BAND〔ザ・ジェフ・ヒーリー・バンド〕の1stアルバム「SEE THE LIGHT」を取り上げているのだが、このアルバムに収録されているヒット・シングル"Angel Eyes"の作者がJohn Hiatt〔ジョン・ハイアット〕であることを思い出した。
ロック好きで集まって話していると、こういう具合に好きなアーティストが芋づる式に出てくるのが面白い。
今日はJohn Hiattの8thアルバム「BRING THE FAMILY」を取り上げてみる。
このアルバムは1987年のリリースなのだが、筆者がこのアルバムを聴いたのは、たぶん2000年代に入ってからだと記憶している。
John Hiattというアーティストの知名度はどれくらいなのだろうか?
正直なところ、筆者は「BRING THE FAMILY」がリリースされた1980年代にはJohn Hiattのことを全く知らなかった。
John Hiattはハートランド・ロック(米国のルーツ・ミュージックから影響を受けたロック)というジャンルに分類されるアーティストなのだが、1980年代に筆者が好んで聴いていた同ジャンルのアーティストはBruce Springsteen〔ブルース・スプリングスティーン〕やJohn Cougar Mellencamp〔ジョン・クーガー・メレンキャンプ〕やTom Petty〔トム・ペティ〕だった。
John Hiattについては、少なくとも日本では、ほぼ無名に近かったのではないだろうか?
John Hiattに興味を持った切っ掛けは上記のTHE JEFF HEALEY BANDの"Angel Eyes"なのだが、暫くの間、筆者はこの曲をTHE JEFF HEALEY BANDのオリジナルだと思っていたくらいである。
"Angel Eyes"がJohn HiattによってTHE JEFF HEALEY BANDのために書き下ろされた曲だということがだいぶ後になってから判り、漸くJohn Hiattというアーティストを知り、俄然興味が湧いてきたのである。
John Hiattについて色々と調べてみたところ、今回取り上げた「BRING THE FAMILY」が彼の代表作だということを知り、けっこう探し回って漸く手に入れたのだが、とにかく、このアルバムは参加メンバーが凄い。
ギターがRy Cooder〔ライ・クーダー〕、ベースがNick Lowe〔ニック・ロウ〕、ドラムスがJim Keltner〔ジム・ケルトナー〕なのである。
この面子で駄作が出来るわけもなく、「BRING THE FAMILY」はカントリーやブルース等、米国のルーツ・ミュージックに根差した素晴らしい傑作となっている。
先ほど、「参加メンバーが凄い」と書いたが、実は一番良いのはJohn Hiattの少しかすれ気味の声で歌われるヴォーカルである。
ちょっと恥ずかしい言い方になってしまうが、アルバムのそこかしこに愛が溢れているのである。
これほど後味の良いアルバムもなかなか無いだろう。
ちなみに、THE JEFF HEALEY BANDに提供した"Angel Eyes"はこのアルバムではなく、「THE BEST OF JOHN HIATT」に収録されている。
Jeff Healeyの瑞々しい歌声を聴きすぎているので、John Hiattヴァージョンを最初に聴いた時は暑苦しく感じたのだが、今ではJohn Hiattによるこの曲も悪くないと思えるようになった。