Jess Roden〔ジェス・ローデン〕のことは、名前こそ知っていたものの、この歳(2019年現在でアラフィフ)になるまで彼の曲を聴いたことがなかった。
Jess Rodenと言えば、日本ではRobert Palmer〔ロバート・パーマー〕、Frankie Miller〔フランキー・ミラー〕と並び、英国ブルー・アイド・ソウル御三家と称されている実力派のシンガーであり、筆者くらいの世代のロック・ファンにはけっこう名の知れた存在だろう。
気になるアーティストがいると節操なく聴きまくる筆者には珍しく、どういうわけかJess Rodenには今まで手を出さなかった(実は、Frankie Millerも、まだ聴いたことがない)。
Robert Palmerだけは、全アルバムを聴くほどのお気に入りなのだが、彼を知った切っ掛けはDURAN DURAN〔デュラン・デュラン〕のメンバーが立ち上げたサイド・プロジェクトTHE POWER STATION〔ザ・パワー・ステーション〕のシンガーとしてのRobert Palmerであり、当時の超人気バンドだったDURAN DURANとの絡みがなければRobert Palmerを聴くことも無かった可能性がある。
さて、Jess Rodenだが、やはりこの人は聴いておかなければならないシンガーだと思い、Amazon Music Unlimitedで検索したところ、配信されているアルバムが意外なほど少ない。
THE JESS RODEN BAND〔ザ・ジェス・ローデン・バンド〕か、THE DOORS〔ドアーズ〕の残党と組んでいたBUTTS BAND〔バッツ・バンド〕を聴きたかったのだが配信されていなかったので、彼のアルバムとしては唯一配信されていたJESS RODEN AND THE HUMANS〔ジェス・ローデン&ザ・ヒューマンズ〕のセルフタイトル作を聴いてみた。
そして、肝心の「聴いてみての感想」だが、単刀直入に言えば、今年一番の衝撃を受けたシンガーとの出会いとなった。
感動的に歌が上手いのである。
声質も良いし、ソウルフルで、何でも歌いこなせる器用さを持ちながら、けして押し付けがましくならないところが良い。
上記の特徴はPaul Rodgers〔ポール・ロジャース〕にも当てはまるのだが、Jess RodenはPaul Rodgersに似ていると感じた。
筆者が一番好きなシンガーはSteve Marriott〔スティーヴ・マリオット〕なのだが、一番歌が上手いと思うシンガーならPaul Rodgersと答える。
Jess Rodenは、そんなPaul Rodgersに匹敵するシンガーであり、こんな途轍もないシンガー出会えたことに大きな喜びを感じている。