ロック・ギタリストでMooreと言えば、先ずはGary Moore[ゲイリー・ムーア]なのかもしれないが、今回取り上げているVinnie Moore[ヴィニー・ムーア]も凄いギタリストなのである。
今回取り上げているVinnie Mooreの1stアルバム「MIND'S EYE」は、学生時代(1980年代後半)にバイト先で知り合ったU君が貸してくれたアルバムであり、筆者の想い出の1枚だ。
U君は生粋のメタル・マニアだったので、筆者は彼から色々なメタル系アーティストを教えてもらったのだが、現在でも筆者が聴いている速弾き系ギタリストの95%くらいはU君から教えてもらったと言っても過言ではない。
ちなみに、U君のお兄さんは筋金入りのプログレッシヴ・ロック・マニアで、且つ、膨大な量のプログレのレコードを所蔵しており、現在でも筆者が聴いているプログレ系アーティストの95%以上はU君のお兄さんから教えてもらったと言っても過言ではない。
今回の記事を書いていて、その頃のことを、ふと思いだしたのだが、筆者の音楽リスナーとしての経歴は、実に多くの友人・知人から受けたインプットで成立しているのである。
ノスタルジアに浸ってしまい、話が横道に逸れてしまったが、Vinnie Mooreは、Mike Varney[マイク・ヴァーニー]によって発掘された速弾き系のギタリストだ。
Mike Varneyは、Yngwie Malmsteen[イングヴェイ・マルムスティーン]、Paul Gilbert[ポール・ギルバート]、Marty Friedman[マーティ・フリードマン]等を発掘したことで有名な米国の音楽プロデューサーであり、1980年代における「速弾き系ギタリスト」というムーヴメントを作った人物だ。
速弾き系ギタリストと言っても様々なタイプがあるのだが、乱暴に大きく分けるなら「豪快なタイプ」と「丁寧なタイプ」に分かれるのではないかと筆者は感じている。
Vinnie Mooreは後者、つまり、「丁寧なタイプ」だ。
後々、その音楽性の幅を広げていくVinnie Mooreだが、1stアルバム「MIND'S EYE」の時点ではネオ・クラシカルメタルからの影響が強いインストゥルメンタル・ロックを演奏している。
筆者のポンコツな耳では、このアルバムで聴ける超絶テクニックによる難しいギターをどのように弾いているのか全く分からないのだが、速弾きにしろ、スウィープにしろ、弾き方が丁寧なことくらいは辛うじて分かる。
「MIND'S EYE」とは、丁寧にギターを弾いているネオ・クラシカルメタルの名盤なのである。