Rock'n'Roll Prisoner's Melancholy

好きな音楽についての四方山話

#0437) BLUE MURDER / BLUE MURDER 【1989年リリース】

f:id:DesertOrchid:20211204144045j:plain

 

ロックの歴史において、1989年は興味深い年だ。


何故なら、1989年には、3つのスーパーグループが1stアルバムをリリースしているらだ。


その3つのスーパーグルーとは、BADLANDS[バッドランズ]、MR. BIG[ミスター・ビッグ]、そして、今回取り上げているBLUE MURDER[ブルー・マーダー]のことだ。


それぞれの1stアルバムは、BADLANDSが3月、BLUE MURDERが4月、MR. BIGが6月、という具合に、かなり近い時期にリリースしているので、アーティストやレコード会社どうしで、何らかの申し合わせがあったのかもしれない。


ちなみに、ベテランでは、BAD ENGLISH[バッド・イングリッシュ]の1stアルバムも1989年であり、翌年の1990年にはDAMN YANKEES[ダム・ヤンキース]が1stアルバムをリリースしている。


上記した、BADLANDS、BLUE MURDER、MR. BIGの中で、筆者が最も期待していなかったのが、実はBLUE MURDERなのである。


何故なら、BADLANDSにはRay Gillen[レイ・ギラン]、MR. BIGにはEric Martin[エリック・マーティン]という歌の上手い専任のシンガーがいたのだが、BLUE MURDERはシンガー探しに難航し、ギタリストのJohn Sykesジョン・サイクス]がシンガーを兼任することになったからだ。


ところが、1stアルバムを聴いてみらた、John Sykesはメチャメチャ歌が上手かったのである。


John Sykesのギタリストとしての腕前やソングライターとしての能力は、既にTHIN LIZZYシン・リジィ]やWHITESNAKEホワイトスネイク]で証明済みではあったものの、ここまで歌が上手いというのは新鮮な驚きだった。


まぁ、冷静に考えてみたら、John Sykesは、あの美しい名曲"Please Don't Leave Me"の作曲者なのだから、歌が上手いのは当然なのかもしれない。


BLUE MURDERの1stアルバムを聴いていると、「どうしてシンガーを探そうとしたの?」と、訊きたくたくなってしまうのである。