第1位
Blow by Blow [ギター殺人者の凱旋] / Jeff Beck
2nd album
released: 1975
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ジャズ・ロック、フュージョンの名盤であることはもとより、インストゥルメンタル・ロックの名盤として、このアルバムが後世に遺した影響は計り知れない。
80年代には Joe Satriani や Steve Vai 等、多くのテクニカルなギタリストによるインストゥルメンタル・ロックが人気を博すことになるが、そこへ至る道を切り開いたのがこのアルバムなのである。
第2位
Wired [ワイアード] / Jeff Beck
3rd album
released: 1976
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このアルバムは Blow by Blow の次作であり、その Blow by Blow と双璧を成すインストゥルメンタル・ロックの大名盤。
どちらか一枚を選ぶのは非常に難しく、二枚ともジャズ・ロック、フュージョンの名盤なのだが、このアルバムの方がロック的な要素が多く含まれており、よりハードなサウンドを聴きたいのであればこのアルバムだ。
第3位
Truth [トゥルース] / Jeff Beck
1st album
released: 1968
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Jeff Beck は、このアルバムで Rod Stewart という英国におけるトップ・シンガーと組んでしまったため、その後は彼以上のシンガーには出会いないと悟ったが故に、自分のバンドにパーマネントなシンガーを置かなくなったと言われている。
70年代に隆盛を極めるハード・ロックのプロトタイプとも呼べる音楽性を持つこのアルバムは、ロックの歴史における最重要アルバムである。
第4位
There & Back [ゼア・アンド・バック] / Jeff Beck
4th album
released: 1980
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このアルバムは、Blow by Blow、Wired と並び、Jeff Beck のフュージョン期ににおける、インストゥルメンタル・アルバム三部作と言われているとか、いないとか。
1曲目、"Star Cycle" における Jan Hammer のキーボードと Jeff Beck のギターによる壮絶なバトルや、リズム隊の秀逸さも素晴らしいのだが、聴きどころは 6曲目、"The Golden Road" の美しさであり、続く "Space Boogie" から 最終曲 "The Final Peace" にかけて聴ける Beck のギターの美しさなのである。
第5位
Beck, Bogert & Appice [ベック・ボガート&アピス] / Beck, Bogert & Appice
1st album
released: 1973
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元 Vanilla Fudge のリズム隊、Tim Bogert (bass) と Carmine Appice (drums) が Jeff Beck と組んだスーパー・グループの最初で最後のスタジオ・アルバム。
当初の予定では Rod Stewart がシンガーとして参加する予定だったのだが、Rod は Faces に参加してしまったので、ヴォーカルに重きを置かず、三人のテクニカルな演奏を聴かせることに徹していることが、このアルバムを名盤にしたと言ってもいい(三人が曲毎に担当している歌も、けして悪くはない)。
~ 総括 ~
筆者世代(2023年現在で50第前半)のロック・リスナーには、ギタリストの暗黙的な格付けが存在する。
頂点が Jimi Hendrix、そして、そのすぐ下に Eric Clapton、Jimmy Page、Jeff Beck という The Yardbirds に在籍経験のある、所謂(いわゆる)世界三大ギタリストがいる(Ritchie Blackmore は世界三大ギタリストに限りなく近い存在だ)。
Jimi Hendrix が頂点にいるのは仕方がない。
なにしろ、誰も手が付けられない絶頂期に若くして他界してしまっており、神格化されているのだから。
しかし、Jimi Hendrix はドラッグが原因で逝ってしまうという、しょーもない死に方をしているというのもまた事実だ。
筆者のなかでは、Jeff Beck がギタリストの頂点にいる。
Clapton も Page も Beck も Jimi から多大な影響を受けており、Jimi 無くしては、70年代以降の世界三大ギタリストはありえないのだが、これらのギタリストの中で最も現役感のあるギタリストが Beck であるということに異論を唱えるロック・ファンは、あまり多くないのではないだろうか?
Beck はドラッグというロック界の悪癖とは無縁でり、むしろドラッグを毛嫌いしていたというところも、筆者が Beck を好きな理由だ。
Beck の演奏やアルバムを聴いていると、ドラッグみたいなクダラナイ物を使わない方がロックはカッコ良くなると、心底思えて仕方がないのである。