#0097) MASTER OF PUPPETS / METALLICA 【1986年リリース】

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筆者にスラッシュ・メタルを教えてくれたのは高校の同級生のH君だった。


時代は1980年代中期。


当時の筆者はグラム・メタルやニュー・ウェーヴを中心に洋楽を聴いていて、スラッシュ・メタルについての知識はゼロに近かった。


ちなみにグラム・メタルは当時の日本ではLAメタルと呼ばれることの方が一般的だったのだが、グラム・メタルとニュー・ウェーヴのリスナー層が重なることはあまりなく、むしろ反目しあう関係にあった。


筆者もグラム・メタルを聴いている洋楽仲間たちからは「ニュー・ウェーヴみたいな辛気臭い音楽のどこがええねん?」と言われ、ニュー・ウェーヴを聴いている洋楽仲間たちからは「グラム・メタル(LAメタル)みたいなアホ丸出しの音楽のどこがええねん?」と言われ、両方のジャンルの音楽を聴いていることについて馬鹿にされたものである。


そんな中、前述の同級生のH君だけは筆者の音楽の趣味嗜好を馬鹿にすることなく、お互い好きなレコードをテープに録音して交換しあったりしていた。


H君も元々はグラム・メタルのファンだったのだが、SLAYER〔スレイヤー〕の3rdアルバム「REIGN IN BLOOD」と、今回取り上げたMETALLICAメタリカ〕の3rdアルバム「MASTER OF PUPPETS」を聴いてバリバリのスラッシャーになった。


筆者は、そんなH君から上記の二枚をカセットに録音してもらい、バリバリのスラッシャーにはならなかったが、スラッシュ・メタルという音楽の面白さを発見し、最終的にはこの二枚をお小遣いで購入するほどスラッシュ・メタルが好きになっていた。


しかし、スラッシュ・メタルに入門するならこの二枚を同時に聴くのはやめた方がいいような気がする。


SLAYERの「REIGN IN BLOOD」が徹底して高速スラッシュ・チューンで攻めてくるのに対し、METALLICAの「MASTER OF PUPPETS」は冒頭の二曲、"Battery"と "Master of Puppets"の破壊力は凄まじいのだが、三曲目の"The Thing That Should Not Be"は抒情的な曲で、以降もちょくちょく抒情的な曲を挟んでくる。


筆者の場合、これらの抒情的な曲の良さに気付くのにけっこう時間がかかり、どうしてもSLAYERの「REIGN IN BLOOD」ばかり聴いてしまうのである。


結局、METALLICAの「MASTER OF PUPPETS」というアルバムが高速スラッシュ・チューンも抒情的な曲も、全てを含めた上で魅力的なアルバムだと気付くのに一年くらいかかった記憶がある。


最終的には大好きなアルバムとなった「MASTER OF PUPPETS」だったが、筆者が好きなMETALLICAはここまでとなった。


次作の4thアルバム「...AND JUSTICE FOR ALL」以降は好きになれるアルバムが今のところ一枚も無い。


果敢に新しい音楽に挑戦していった時代のイノヴェーターであるMETALLICAに筆者はついて行けなかったのである。