#0302) PARADISE THEATRE / STYX 【1981年リリース】

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今回取り上げているSTYX〔スティクス〕は、KANSAS〔カンサス〕、BOSTON〔ボストン〕、JOURNEY〔ジャーニー〕等と並ぶアメリカン・プログレ・ハードの大御所バンドだ。


アメリカン・プログレ・ハードにカテゴライズされるバンドは、1970年代後半から1980年代にかけて極めて多くのレコードを売ったため、産業ロックと揶揄されることがある。


しかし、産業ロックとは論理的に破綻しているネーミングではないだろうか?


果たして産業ロックではないロックなど実際に存在するのだろうか?


ロックという音楽を制作し、それを流通・販売させることにより報酬を得ているのであれば、全てのロックは産業ロックだ。


所属しているレーベルがメジャーではなく、インディーであったとしても、それは同じであり、プロのロック・ミュージシャンである以上、音楽産業の一部なのである。


さて、STYXだが、今回取り上げたアルバムは10thアルバムの「PARADISE THEATRE」である。


STYXはこのアルバムで全米1位を獲得し、4作連続のトリプル・プラチナムも獲得している。


筆者は1980年代初期からロックを聴き始めた世代なのだがSTYXの全盛期とは微妙に重なることがなく、STYXよりも先にTommy Shaw〔トミー・ショウ〕のソロ・アルバムを聴き、彼が参加したDAMN YANKEES〔ダム・ヤンキース〕を聴き、その後、ようやくSTYXに辿り着いた。


そして、最初に聴いたSTYXのアルバムが今回取り上げている「PARADISE THEATRE」なのである。


有名なアルバムなので、その存在は知っていたのだが、このアルバムを聴いたのは1980年代の後半になってからだ。


このアルバムを一言で表現するなら「華麗なるコンセプト・アルバム」であり、彼らの出身地であるシカゴに実在する映画館「パラダイス・シアター」を舞台にした物語を1枚のアルバムの中で描いている。


そのメロディの美しさと言い、アレンジの巧みさと言い、STYXというバンドの音楽的技量の高さ、メンバーの作曲能力の高さが遺憾なく発揮された作品だ。


そして才能豊かなメンバーのパワー・バランスがギリギリで保たれている作品であり、次作以降、徐々崩壊し始めるメンバー関係の危うさを幽かに感じさせる一枚でもある。