Rock'n'Roll Prisoner's Melancholy

好きな音楽についての四方山話

#0312) ESCAPE / JOURNEY 【1981年リリース】

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このブログを書き始めた理由は色々とあるのだが、その一つとして自分の人生もいよいよ終盤に差し掛かってきたので、自分の聴いてきた音楽の備忘録を残そうと思ったからだ。


今回の記事は備忘録としての意味合いが強い。


ロック・ファンなら誰しも自分が初めて観たアーティストのライヴというのは思い出深いものがあるのではないだろうか。


筆者が初めて観たライヴは今回取り上げているJOURNEY〔ジャーニー〕であり、時は1982年、場所は京都会館(現・ロームシアター京都)だ。


当時の筆者は中学生になったばかりであり、少しずつロックに興味を持ち始めた頃だったが、正直なところJOURNEYというバンドのことは全く知らなかった。


筆者が生まれ育った京都という都市は日本の中でもとりわけ芸術や文化が盛んな所だと思うのだがロックに関しても例外ではない。


ライヴ・ハウスも磔磔(たくたく)や拾得(じっとく)などの老舗から新しい店舗まで数多く存在し、ロック・バンドの数も多い。


身近にはバンド・マンやロックを教えてくれるだいぶ年上のお兄さんお姉さんも多く、そんな彼等彼女等に連れて行ってもらったのが京都会館で行われたJOURNEYのライヴだった。


けして良い席ではなく、JOURNEYの予備知識もないまま観たライヴだったのだが、とにかくSteve Perry〔スティーヴ・ペリー〕の歌の上手さに度肝を抜かれたことを鮮明に記憶している。


当時の筆者には演奏の上手い下手はまだ分からなかったのだが(もちろんJOURNEYは極めて演奏の上手いバンドだ)、Steve Perryの歌の上手さだけは明確に分かったのである。


とにかく、現在に至るまで生で聴いたロック・シンガーの中でダントツに上手いのがSteve Perryであり、プロのロック・バンドのシンガーとは、ここまで歌が上手い人でなければ務まらないのかと思った記憶がある。


その後、プロのロック・バンドのシンガーでも「上手い」ではなく「個性」や「味」で聴かせる人がいることも知ったのだが。


今回取り上げているJOURNEYの7thアルバム「ESCAPE」は、ライヴを観た後に知り合いのお兄さんからカセット・テープに録音してもらい、擦り切れるほど聴いた懐かしい1枚だ。


筆者にとっては、このアルバムこそがアメリカン・プログレ・ハードの神髄なのである。