今回取り上げるのは米国のプログレッシヴ・メタル・バンド、TOOL[トゥール]の3rdアルバム「LATERALUS」だ。
TOOL、凄い、最高、以上。
これで終わりにしたいくらい、TOOLというバンドは1990年代以降のロック・シーンにおいて、桁違いの存在感を放つ。
TOOLについては、正直なところ、どういった文章を書いていいのかが分からない。
そもそも文章力が無いので、これまで取り上げてきた他のアーティストに関しても大した文章が書けていないわけだが、TOOLに関しては、もうお手上げという感じだ。
TOOLが繰り出す、凄まじくテクニカルな演奏には、それだけで既に充分な価値がある。
メンバー全員が高度な演奏技術の持ち主なのだが、ドラムなんて、どうやって叩いているの分からないくらい凄い。
そして、演奏技術も凄いのだが、曲がまたその上をいく恐ろしいほどの凄さなのである。
今回の記事の冒頭では、便宜上、プログレッシヴ・メタル・バンドと書いてはみたが、彼らの音楽性は、とてもその範疇だけに納まり切れるものではない。
28年前(1993年)に1stアルバムの「UNDERTOW」を聴いた時からこのバンドのアルバムはずっと買い続けてきたのだが、中でも、今回取り上げている3rdアルバムの「LATERALUS」を聴いた時の衝撃は凄まじかった。
静と動のコントラストが鮮やかであり、静の時の良い意味でのダレっぷりと、動の時の手の付けられないキレっぷりは、このバンドでしか味わえない個性であり、その個性が最も味わえる傑作が「LATERALUS」なのだ。
このアルバム「LATERALUS」は2001年にリリースされた作品である。
つまり、21世紀の最初の年にリリースされたアルバムということである。
当時はミレニアムという言葉があちこちで安売りされていたのだが、筆者はこのアルバムを聴いた時に、新しく始まる世紀の幕開けを感じることができた。
ちなみに、このアルバム、下に貼った画像の外ジャケットからCDケースを取り出すと、冒頭に貼った画像の内ジャケットが出てくるという凝った作りになっている。